第3章 ACE
一歩ずつ後退りするアリス。
頭の中はすでに真っ白だった。
「待てよ。」
海賊の一人がアリスの手を掴む。
「!!」
アリスは驚いて手を引いた。
だが離さない。
「お前何者だ?俺達を知ってんのか?」
「か・海賊がァ!!私に触るな!!!」
~セントリース・フェンリル~
ヴァーラヴェティの柄に触れて呟く。
アリスの姿は一瞬でフェンリルの姿に変わった。
フー・・・。
「能力者か!?」
唸るような声を上げ手を掴んでいた海賊に飛びかかった。
「ぎゃああぁぁぁぁぁ・・・!!」
フェンリルの鋭く大きい牙に噛み付かれ悲鳴を上げる。
血の味が口に広がる。
<火弾>
アリス目がけて火の弾が飛んでくる。
素早くよけるアリス。
(能力者・・・)
攻撃をしたのはエースだった。
「仲間に手ェ出すんじゃねぇ。」
こちらを睨むエースを見てアリスは元の姿に戻る。
「仲間?こんな弱い奴が?馬鹿みたい・・・」
馬鹿にするように睨み返す。
「おい、女。お前何者なんだよい。」
マルコがエースの横に立つ。
「お前達海賊に名乗る必要などない。さっさとこの島を出て行け!」
白ひげは彼女を見た瞬間分かった。
彼女がエフラファ王国の王女であることが・・・