第7章 リミッター
当てがっただけで先端を飲み込むような感覚に、たまらず声が漏れる。
「っ……ヤ、バ」
このまま奥深くまで捩じ込んで、思うまま揺さぶりたい欲求をやり過ごそうと、黄瀬は唇を噛んだ。
「ン、私は大丈夫……だか、ら」
「ちょ……煽んない、で」
「お願い、涼太……早く」
なけなしの理性をかき集めていた黄瀬の努力は、その一言で泡と化した。
「く、結、っ」
「ひ……っア、あぁっ!!」
固い楔に一気に貫かれて、ベッドの上でビクビクと跳ねる身体と、ピンと反ったつま先が、シーツに荒い波を起こす。
収縮する内壁が、硬く張りつめた熱をさらに締めつけた。
「ン、くっ」
「あ、あぁ……っ」
「結、ごめ、ん……オレ」
「っ、や……謝らない、で……あ」
奥へ奥へと誘うように収縮を繰り返しながら、まだ細かく痙攣する襞は、すべてを溶かしてしまいそうに熱い。
(こんな敏感だったっけ?たまんね、つか)
「もしかして……挿れただけで、イッちゃった?」
「っ、だって……すごく熱、い」
「ハッ、優しく、したいから……っ、煽んなってば」
ゆっくりと腰を揺らす黄瀬の背中に浮かぶ汗が、身体を伝いシーツに染み込んでいく。
「……涼、太」
「ん、キツい?」
まだ経験の少ない彼女には、そのゆったりとした抽迭ですら辛いはずなのに、健気な恋人はうっすらと涙を浮かべながら、黄瀬の言葉を否定するように小さく首を横に振った。
「ね、もっと好きなように……もっと、シて」
「っ、ハイ!?」
驚きで声が裏返る。
「涼太なら、平気……だから、限界まで、シて」
「ホントに、どーしたんスか……今日の結は」
「りょ……た」
「嬉しすぎて、も……抑え、きかないんスけど」
一気に加速する律動に、振りほどかれないよう全身でしがみつく恋人の奥を激しく穿つ。
「や、あ、あぁっ……ん!」
「その声、マジで……ハッ、たまンねぇ、スわ」
「あ、っ、りょーた、ッ」
ガクガクと揺さぶられて、背中を反らせながら本能の赴くまま喘ぐ恋人の淫らな姿にただ溺れる。
「くっ……後で、苦情は受けつけないっス、よ」
もっと、もっとと求める気持ちに細胞を侵されるのを感じながら、小さなカラダが壊れないようにわずかな理性を残しつつ、黄瀬は夢中で腰を振り続けた。