第51章 キスミー
ふたり分の服が散乱する部屋の中、純白のシーツの上で、一糸まとわぬ肌をすべる金の髪が、キラキラと月明かりをはじいた。
大きな手の中に収まる胸の膨らみが、そのゆったりとした動きに合わせて柔軟にカタチを変えていく。
「あ……ぁ、ん」
「やわらか……」
下から持ち上げられて、やわらかな谷間に吸いつく唇が、次々と咲かせる花は鮮やかな緋色。
やわやわと揉みしだかれて、存在を主張するように尖りはじめる飾りの片方は、長い指で弄られ、もう片方は舌で転がされて、その硬さは増していくばかり。
吸いあげた口からチュッと離されて、ふるりと揺れる小ぶりの乳房が、黄瀬の劣情を容赦なく煽った。
「心臓、ぶっ壊れそ……」
「あ……っ」
くびれた腰のラインを指でたどりながら、唾液にまみれた唇が腹部のへこみを撫でて、迷うことなく下腹部を目指す。
わずかな灯りに反射して鈍い光りを放つ髪が、汗ばむ柔肌を滑るたびに、ぴくぴくと反応するつま先がベッドを乱した。
「優しくするから」
足……開いて、と膝に落ちる囁きの意図することはひとつ。
結は唇をゆるく噛むと、その求めに応えるように、震える足をゆっくりと開いた。
「……いいコ」
内腿を伝って、焦らすように舌が這う感触に、湧きだす蜜がくちゅりと音を立てる。
うっすらとした茂みを掻き分ける鼻先が、敏感な場所に触れては離れ、離れては触れる行為を繰り返す。
ふっと息を吹きかけられて、一気に溢れだす愛液はまるで洪水。
「ん、ふぅっ」
「まだ触ってもないのにこんなに濡らして……敏感っスね」
「や、あぁんん……っ!」
音を立てて吸われて、大きく跳ねる腰を優しく押さえこみながら、一滴たりとも逃さないとばかりに蜜を啜る音がシーツに溶ける。
無意識に閉じようとするふたつの足を、片方は手でさすさすとなだめ、もう片方は肩に担ぎあげると、黄瀬はさらに濃厚な愛撫を繰り返した。