第3章 ロングバージョン
「ちょっと慣らすから、力抜いて」
「ん、ぁ……あぁっ!?」
ツプリと指先を侵入させると、自然と跳ねる膝が腕をきつく挟みこむ。
「いたい?」
「ん……平、気」
明らかに無理をしている声に、暗闇の中、黄瀬はわずかにその表情を曇らせた。
(やっぱ辛そう。でも、慣らしとかないと後で辛いのは結だから)
心の中で葛藤しながら、黄瀬は耳許でそっと囁いた。
「大丈夫。怖がんないで」
「う、ん……あっ」
慎重に浅い場所をほぐしながら、確実に奥へと進む長い指。
何かを探るようにザワザワと指先が蠢くたび、結は羞恥と快感の間で腰を揺らした。
「ン……結のナカ、スゴく熱い……トロトロでオレの指、溶けそ」
「んっ、や……あ、あァ……っ!」
「ココ、っスか」
締めつける強さと声の変化を感じとり、黄瀬はたどりついたポイントを指で押し上げた。
「ひ、っ!あ、ナニ……これ、や……変、っ」
「いいよ、変になって。オレの指だけ、感じてて」
「や、アっ、ああぁ……っ!」
細かい振動を送られて、大きく背中をしならせた後、初めての絶頂に声をあげながら、結は黄瀬の指を強く締めあげた。
「スゲ、食われそ……っ」
「はっ、はぁ……ン、んっ」
ズルリと引き抜いた指を満足そうに舐めると、黄瀬は、かすかに震える足をゆっくりと押し開いた。
「ひ……ゃっ、な、何?」
「舐めてあげるから、そのままじっとしてて」
「な、舐める……って、ゃあっ!」
ヌルリとした感触と周辺を探る指先に、結は足の間に深く埋まった頭を押し戻そうと、わずかに残る力をふり絞った。
「そんな、とこ……ん、ぁ」
「これ、ヤダ?」
「ゃ、あっ、そこで喋らない、で」
「溢れてきた……ンん、大丈夫みたいっスね。もっかい、ハッ……気持ちよくしてあげるから」
ぢゅうと音を立てて吸い上げてくる唇と、敏感な尖りを探り当てた指が、達したばかりの身体を容赦なく責め立てる。
「や、あ……っ!」
だが、両足を押さえ込む腕は強く、結は濃厚な愛撫を受け入れることしか出来なかった。
「スゲ……甘い。もっと」
「ひっ、駄目……アあぁっ!」
絶妙な舌によって高みに引き上げられた結の二度目の嬌声が、静かな部屋に響き渡った。