第35章 デコレーション
「や、木吉さ……そんな、の」
「じっとして」
肌に落とされるヒヤリとした感覚に、自然と反応する腰が淫らにうごめいた。
「結が勝手に動くから……ホラ、こんなトコにも」
脇腹に飛び散った生クリームを塗り広げながら、ゴツゴツとした指が、丸みのある身体のラインをたどって下半身を目指す。
「あ、やだ……っ」
足の間をざわりと撫でる指先に、結はシーツの上で大きく跳ねた。
「触る前からこんなトロトロにして……いやらしいな、結は」
「ちが……っ」
「カラダは正直だぞ。ホラ」
ツプリと音を立てて侵入する太い指を、抵抗なく受け入れる身体が、乱れたシーツをぐっしょりと濡らしていく。
「ん、うっ」
浅いところを焦らすように擦られて、もっと、とつい求めそうになる唇が酸素を求めて喘いだ。
「……ふ、ぁっ」
「もっと欲しいか?」
首を横に振る仕草とは裏腹に、貪欲に引き込もうとする収縮に誘われるまま、木吉は増やした指を奥に滑らせた。
「アっ!ん、ん……っ」
ビクンと弾ける膝が、さらなる快感をねだるように逞しい腕を強く挟みこむ。
「凄いな、ナカ熱くて溶けそうだ。俺の指、好きか?それとも」
「やぁ、木吉さ……お願い、焦らさない……で」
「うまそうだ」
首筋に、鎖骨に、胸の頂に
飾り付けられた生クリームが、体温でじゅわりと溶けた。