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【黒バス】今夜もアイシテル

第30章 トリガー



「ゃ、あぁっ」

「イヤ?そのわりにオレの指、締めつけて離さないけど」

「そんな……こと、ない。あ、も」

埋め込まれた指に絶えず刺激を送られて、身体を駆け抜けるビリビリとした甘い痺れに、結は身をよじった。

「ソコ、ばっかり……や、だぁ」

「欲張りっスね」

「ひゃっ」

痛いほど勃ちあがった胸の先を吸われて、シーツの上で跳ねる身体を追いつめるような指の愛撫はだが止められることはなく。

敏感な突起を親指でこすられた瞬間、身体から噴き出す生温かい液体に、結は目を見開いた。

「な、何……これ」

「ハハ、はじめて吹いたね。感想は?」

初めての感覚に呆然としていると、濡れた手を気にすることなく器用にゴムを装着する恋人に足を担ぎ上げられ、「挿れるよ」という声とともに貫かれて思考回路が弾けとぶ。

「待っ、ン、あぁっ!」

「くぅ……溶け、そ」

発情期の獣のように尽きる様子のない欲をぶつけられて、乱れたシーツの上で身体が大きく跳ねる。

「お願、い……も」

「ナニ言ってんの?もっとオレで埋めつくすから……へばんな、って」

「や!あっ、ん」

鍛えあげられた身体に翻弄される中、時折与えられるキスだけがコワレモノに触れるようで心が震える。

「りょ、たぁ」

汗ばむ肌に貼りつく昔のピアスを噛んだ歯に、強く引かれてプツリと切れる金の鎖。

まるでそれが合図であるかのように、一気に加速する律動が空気を掻きまわしていく。

「ハッ、ん、結、く……っ」

「あ、あぁ……っ!」

結は、この日何度目になるか分からない絶頂を迎えながら、ベッドに崩れ落ちた。





くたりとシーツに沈む身体を、黄瀬はそっと引き寄せた。

「……結?」

返事は当然ない。

(当たり前、か。こんな無茶して)

胸をくすぐる浅い息が寝息に変わるのを待ち、腕の力を緩めると、黄瀬は恐る恐る小さな顔を覗きこんだ。

濡れた頬と腫れた唇に胸の奥がズキンと痛む。

「ナニやってんだよ、オレは」

荒々しいセックスに身体中汗だくだ。

唯一乾いた唇を噛んで、口に広がった血の味を消すように飲み下す。

「ゴメン……」

反応のない恋人の身体にふわりと布団をかけ、ベッドから抜け出した黄瀬は、汗ばむ額に貼りついた前髪を忌々しげに掻きあげた。




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