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【黒バス】今夜もアイシテル

第15章 リベンジ



「さて……と。じゃ、そろそろシャワー使わせてもらおっかな」

その言葉に安堵の息を吐いたのも束の間、躊躇なく自分の帯を解きはじめる黄瀬に、結は小さく飛び上がった。

「わ、私出ますから……っ」

「別にオレのハダカ見んのはじめてじゃないっしょ?んな可愛い反応されると余計に」

イジめたくなるんスよ、と扉についた手で逃亡を阻止されて、結は帯と着物を脱ぎ捨てた恋人の腕の中でオロオロと目を泳がせた。

下着一枚となったそのカラダは無駄な筋肉が一切なく、まるで彫刻のように美しい。

「……っ」

「照れちゃって……ホント可愛い。その顔、もっと見たいかも」

「な……ナニ、を言って」

全身をつつむ妖艶な色気に魅せられて、口が渇いてうまく反論出来ない。

「やっぱ一緒にあったまろっか?」

「あ……やっ、だから本当に駄目、ですって」

だが、帯に手をかける懲りない手はビクともせず、しゅるりという衣擦れの音がせまい空間に響く。

「諦めが悪いっスね。でも、これはこれでお代官様ゴッコみたいで萌えるかも」

「お、お巡りさーん!変態がここに!捕まえて……ムグっ」

「ちょ、変なこと言わないの!お隣さんに通報されたらどうするんスか!?ま、好きなコの前じゃ男はみんな変態なんだけどさ」

口を塞ぐ手を剥がすと、結は非難の眼差しを向けた。

「勝手な事ばかり言って。それに……脱がせるの上手すぎ、デス」

「気にすんのソコ?でも、結限定だから安心して」

妖しい笑みに目を奪われていると、器用な指に浴衣の上から背中のホックを外されて、不意に訪れる開放感に慄く。

「や、っ」

「こんなコト、も誰にもしないから」

熱を帯びる声と、胸元を割ろうとする指先に、グルグルと目が回る。

「ぁ、やっぱり無理……恥ずかし、っ」

「じゃ自分で脱ぐ?早くしないとオレのワガママな指が」

「わ、分かりました!自分でやります!だから先に……先に入っててください!」

「先に?」と言葉尻をとらえ、きらりと光る瞳に失言を後悔してももう遅い。

「う」

「じゃ、先に入ってるっス。逃げたらどーなるか──分かってるよね?」

さわやかな笑顔で釘を刺し、バスルームへ消える黄瀬の背中を見送ると、結ははだけた浴衣をかきあわせながらヘナヘナとその場に座りこんだ。

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