第1章 ようこそ、ホグワーツへ
「ちょっと待って、ください?」
意味がわからない。
魔法界?運命?
「たぶん人違いです私運命とか変えられないんで失礼します」
そんな重い荷物持てねえよ!!!!
クルッと180度反対を向き、急ぎ足で扉へと手をかける。
……待て。
「つかぬことをお聞きしますが、帰る方法は……?」
「ないのう。少なくとも運命を変えるまでは帰れんと思うぞ」
ですよね〜〜〜
だって魔法界でしょ?どうせトラックなんて走ってないんでしょ?同じ方法は試せないんでしょ?
その前にこんどこそ死ぬわボケェ!!!
「まあそう気負うでない。君がここに来た時点である程度の運命は変わっておるじゃろう。後は時を待つのじゃ」
帰る方法は無い。
こうなったら腹をくくろう。
「……とりあえず、何で私がここに運命を変えに来たとわかるのか。知ってるんですよね?」
扉から手を離し、机の前へと足を進める。
そう、これはRPGゲーム。
いつもやっているような、『よく来た勇者よ、ではこの世界を救っておくれ』的なノリのあれだよ。
ということは?勇者は死なない?
この世界の主人公は今は私……?
……主人公が死んだら困るのはこの世界。
だったら思う存分やってやろうか。
「鋭い子じゃな。……さて、どこから話そうか」
ここは魔法界。主人公は私。
ーーーこの世界を救えるのも、私だけ。