第1章 ようこそ、ホグワーツへ
「うわああああああああああああああああああああああ」
ギュッと目を瞑り、出せる限りの大声を出してみる。
「…………え?」
痛くない…?
恐る恐る目を開けてみるとそこは病院の白い壁ーーーーではなく、よくわからない薄暗い部屋。
「は?」
てっきり目が覚めたら集中治療室でーみたいな展開だと思っていた。
だけどどこも怪我してないし痛くも痒くもない。
それに病院にしては図書館っぽいというか博物館っぽいというか……。
なんとも言えない不思議な雰囲気に自然と引き込まれていく。
まさか、私死んだ?
あれだけの大きなトラックだ、即死でもおかしくない。
むしろこの部屋といいそっちの方がうんと説得力がある。
壁一面に並ぶ書物に導かれるように、そのうちの1冊を手に取ってみる。
「この部屋は気に入ったかね?」
「どわああああああああ!!!!」
不意にかけられた声に思わず大声をあげてしまう。
「驚かせてしまったか」
「え、あ、はい……?」
…………誰だ!?
漫画に出てきそうな真っ白い髭がモサモサのおじいさん。
何だこの人、え、誰?
「おお、混乱しとるみたいじゃな」
「……いや、あ、はい」
会ったことあったっけ?
ないよね?ないよね?
ここはどこ!!お前は誰だあああああ!!!