第1章 澤村大地
『俺がいいよ、って言うまで大地と目を合わさないで。あと必要最低限以外のことは話すのもしばらく禁止』
…と、さっき菅原さんに禁止令を出されて早くも後悔。
大地さん成分が足りない!!!
いつもなら速攻大地さんに会いに行っては、のほほんとした空気の中2人で笑いあってたところ今日は会いに行かず菅原さんに相談していたからだ。
ちらり、授業中に斜め前に座る縁下を盗み見る。
(…う〜ん)
縁下にほんの少しだが、大地さん的な雰囲気を感じられる。
え、いや、大地さんの足元に及ばないけど周りの人の中なら縁下が1番近いかな…?
いや!だめだ!
そんな浮気みたいなこと!
ぶんぶんと、考えを振り払うように首を横にふる。
(…でも癒されたい)
そんな感じで心の中で葛藤を繰り広げ、先生のカミナリが落ちるまで気がつかなかった。