第4章 東峰旭
翌朝、玄関を出るといつも通りに旭が待っていてくれてた。
昨日 酷いことをしたのに来てくれる優しさに罪悪感がズシリとのしかかる。
「おはよう、沙奈」
「……おはよう」
挨拶をしないのも変なので返すが一緒に歩いているけど微妙な距離をあけてしまう。
果たして旭は理解してくれてのだろうか?
理解してくれていたら私も素直に謝ろうかな、。
「あー、えっと。昨日の事なんだけどさ」
気まずそうにポリポリと顎をかきながらよく分からないところを見ている。
ちらり、コチラをたまに様子見する旭の少し緊張がうつり背筋が伸びる。
「…ごめんな。いつも通り仲良くしないか?」
へらりと笑い優しい笑顔。
目をしっかりと合わせて真意を探る。
(…いつもは好きな笑顔が今は憎らしい、)
足を止めてジト目で旭を見ると旭は頭の上に?をたくさんつけていた。
「ねぇ、本当にちゃんと分かってる?」
「えっ、?う、うん」
「具体的に」
「えっ、昨日の頭突きは気にしてないし怒ってもないから大丈夫だから」
「……それだけなの?」
「えっ、……はい」
まさかと思っていたが、
ひげちょこは1ミリも理解していなかったらしい。
こんな時まで優しくて私のことしか気にしていない。
1度、目を閉じて深呼吸をしてから旭を見上げる。
「旭のバカ!全然わかってない!もっとちゃんと考えて!」
学校に向かって旭を置いて走り出す。
びっくりしたような顔をしていたが知らない。
(ひげちょこのバカヤロー!!)
「あ、そんな急に走ったら転けるからっ」
ダメだって!、と旭の声が届く前に地面とこんにちはした。
要するに転けました。
痛くて動けないでいると、
「大丈夫か?」
「……、」
「俺がいたのに助けれなくてごめんな、絆創膏使うか?」と起こして頭を撫でる旭。
好き、だけど嫌い。
感情がぐるぐるして痛む足を我慢して何も言わず旭を押しのけて走った。
*
無事に1人で学校につくことが出来たが散々だった。
石につまずき転び
紙を踏みつけ転び
何もないところで転び
猫に驚き転び
傷だらけで教室にはいると潔子が心配して手当をしてくれた。
理由も聞かず頭を撫でてくれてほんと女神な清水様に感謝でしかない。