第3章 日向翔陽
「なっ、な、な」
額に手を当てて、口をパクパクさせてコチラをみている。
まるで金魚のようだ。
「お!俺もっ!沙奈のことが!大好きですッ!!」
あまりにも声が大きいから笑ってしまう。
転がった勢いか、髪に糸くずがついていたので取ろうとしたら、
「な、な、ナンデショウカッ!?」
すっごい逃げられた。
髪に糸くずが、と言うと髪を乱暴にぐしゃぐしゃして「アリガトウ!!」と言われた。
「え、もしかして。照れてる「全然ちげーしッ!」
食い気味な翔ちゃんがおかしくて、わざと近づいたら、ズざざさあああ、と部屋の角まで逃げてしまった。
「やっぱり照れてるじゃん」
「し、仕方ねーだろ!き、き、キスされたんだしッ」
「…私のこと押し倒したのに?」
「あ、あ、あれはだなぁ~…」
すごく焦る翔ちゃん。
どうにか言い訳を探そうと目が泳ぎまくっているし、滝のように汗が流れ出ている。
それをみて微笑ましい気持ちになる。
バカワイイ翔ちゃん。
これからも、よろしくね?
Fin.