第3章 日向翔陽
「翔ちゃん、どうしたの??」
もう一度たずねれば、ゆるゆると体重をかけてきて、、。
「、!?ちょ、翔ちゃんっ」
いつの間にか背中がピットリと地面につく。
ひんやりとしていて少し冷たい。
こ、これは。
……ゆ、床ドン…というヤツだろうか…?
こ、こんな恋愛上級者だったっけ!?
恥ずかしすぎる体勢に咄嗟に翔ちゃんと目を合わせないようによく分からない一点を見つめる。
息がかかるほど近すぎる顔に身体の体温がみるみる上がってっている気がする。
なんとか体温を下げようと必死で頭の中でグルグルと別のことを考えようと試みるが全然ダメだ。
「…なぁ、沙奈」
いつになく真剣な表情に全身が心臓になったかのような錯覚に陥る。
壊れ物を扱うかのように優しく私の頬を片手でサラリと撫でた。
「...なんで、こっち見てくれないんだよ…」
「みっ、みてるよ?」
サッと視線を少しあげて翔ちゃんの首辺りをみる。
「…目ぇ、合わないから見てないだろ」
あぁ、今はどこを見ても熱を増すばかりだ。
下からみる翔ちゃんは意外としっかりした体格しているのに気付かされるし、男なのだと改めて思う。
……しかも、なんかいつもよりカッコよく見える。