第3章 日向翔陽
「……へ?」
なんともまぁ意外すぎる人物からだった。
つ、月島くん…。
隣の席だから少しばかり仲良くさせてもらっているが、メールならまだしも電話。
「…電話でないのか??」
翔ちゃんがキョトンとしながら見つめてくる。
「あ、うん。でるでるっ!」
ピッ、とすぐに電話にでる。
「も!もしもし!」
『え、なんでそんな元気なの。耳痛いんだけど。』
「あ、ごめんね、」
さっと、小声に切り替える。
「で、どうかしたの?」
『あぁ。間違えてキミの現代社会の教科書持って帰ってきちゃったんだけど。』
「へ?そうだったの?」
無くしたと思ってたから安心したぁ、と笑うと何とも不機嫌そうな声が聞こえてきた。
『キミ、馬鹿なの?ていうか、月曜日現代社会あるけど届けた方がいい?』
優しいなぁ、月島くん。
…と感心して褒めると、僕の方にも非があるデショ、っとツンデレを発揮させていた。
「でも、大丈夫だよ!私…っ!あ!」
スルリと翔ちゃんに携帯電話をとられた。
『…え、?なに。』
…携帯から月島くんの声が聞こえるがブツリ、突然電話を切った翔ちゃん。
乱暴にベッドに携帯を放り投げた。
「しょ、翔ちゃん??」
動揺して動けない私をヨソに、膝立ちをして包み込む様に私を抱きしめて甘えるようにすりつく翔ちゃん。
今、私はじゅうたんの上に直に座っているから身長差が出来ていつもより翔ちゃんが大きくてドキドキする。