第2章 影山飛雄
てんてんてん…
ボールの転がる音だけが聞こえる。
青ざめた私と翔陽は即座に土下座した。
「ごごご、ごめんね。影山くん、そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「…」
翔陽は隣でダラダラと汗を流している。
「お前らはホンッットにボゲだな!ボゲッ!ボゲッ!」
彼氏であるはずの影山からの罵声を日向と一緒に正座で浴びせられる。
「ゎ、悪かったとは思ってるよ…」
「…ごめんなさい」
口をとんがらせてソッポを向きながら言う日向につられて、いや、少しふざけて日向のマネをして謝る。
「おい、新垣。お前謝る気ないだろ?ぁあ"?!」
「ちょっぴりふざけました。ゴメンナサイ」
「…おい、しかも何だよアレ」
「アレとは何でございましょうか」
だらだらと背中に汗をかきながら恐怖のあまり泳ぐ目。
「箸ほっぽりだして、なんだよあのクソレシーブ!」
「く、くそって…」
「クソなもんはクソだ。…日向、お前もだ」
「ヒィッ!!」
翔陽は影山くんの威圧感に圧倒される。…が、
「お、ぉれはぁ!ク、クソかもしれないけど、沙奈のことまで悪く言うなよ!」
「しょ、翔陽…」
私のことを庇ってくれる翔陽にじぃーんと感激する。
「ふざけんな!ヘタクソはもっと上手くなってからいえよ!」
「ゔぐっ…!!」
苦虫を潰したような顔をした翔陽。