第2章 影山飛雄
*
「…はぁ」
あの後、再び影山くんの説教が続いて怒ったまま一人で屋上からでていってしまった。
翔陽と私は一緒に帰っているのだが、
「なんだよ、あの王様。あんなに言うことないべ」
…ひたすら愚痴をつぶやく翔陽。
「…あ、ホタル」
たまたま出くわした金髪ノッポくん。
…とアホ毛の男の子。
呟いた瞬間、頭がガッチリ固定された。
「ホタルじゃないっていってるデショ。え?なに。頭悪いのキミ」
「わ、ツッキー。仮にも女の子にそんなことしちゃ可哀想だよ」
「うるさい、山口」
「ごめん!ツッキー!!」
おいおい山口くん。
仮にもってどういうことだい?
ちょっと失礼だよ、いや、だいぶと失礼だよ…。
「は、離せよっ!月島!」
「…うるさいなぁ。おチビちゃんには関係ないデショ」
威圧的な態度になにも言えなくておし黙る翔陽。
まぁいいや、と言ったホタルは簡単に手を離して呆れたようにため息をついた。
「…で。なんで日向とココにいるの?」
「えーっと、ですね」
何処まで何て話そうか悩んでいると。
「あれ?影山は??」
「…」
…何で言おうとしてたのに先にいうのさ、山口くんよ。
翔陽は私が何ていうのかこちらを見て待っている。
ホタルに至っては何かを察してニヤニヤしている。