第2章 影山飛雄
私と影山くんがお昼を食べている間に翔陽が1人でポンポンとボールで遊んでいる。
うずうずした私は、
「翔陽、ヘイ!」
食べている途中にも関わらずお箸を投げ出して翔陽にパスを求めた。
「っ!?」
とっさに反応した翔陽のヘタなパスがきた。
「さすが翔陽。へたくそ〜」
「う、うるせーよ!」
私はケラケラと笑いながらボールを繋げる。
「打つよ〜」
緩く打つとちゃんとしたレシーブで返ってきた。
「余裕だべ!」
「おいこら、翔陽。帰宅部のエースなめんなよ?」
緩く打ったのだから余裕なのは当たり前なのだが、なんかカチンときたので黒い笑みを浮かべ少し強く打つ。
それを繰り返していると翔陽のレシーブが乱れていく。
「あっれ〜?大丈夫〜?」
月島くんのムカつく要素を真似てみた。
「沙奈、お前、月島に似てきた…」
「ありがとう、ではでは渾身の力を込めますのでどうか綺麗なレシーブで返して下さいね」
「ぅおっ?!」
翔陽の腕をかすめたボールはそのままのスピードで
影山くんの顔面に直撃した。