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モノグラム

第39章 ステップ





 私は彼に車まで連れてこられた



すると

彼はゆっくりと私に話しだした


大倉「実はさぁ

今からほんまに仕事が忙しくなるねん」



そう言いながら車の鍵を開けた



「そうなんですか?」



私は静かに扉を開けて中に入って行った



大倉「本格的に会えんくなるかも」



「........」



私はシートに座って真正面を見つめた



大倉「どないしたん?」


自分を見ない

何も話さない私を彼は

不思議に感じたんだろ



「大きくなるんですよね

誰にも文句を言わせないように....」


私は

ずっと真正面を見続けた



大倉「そうや、絶対になる」



彼は強い口調で言った

私は小さなため息をついて頷いた



「私は、それぐらい我慢します....」



大倉「えっ?」



やっと私は彼を見た



「大きくなるのでしたら

私はそれを応援します

そして、会えないことぐらい

我慢します....」



私の言葉を彼は聞いて

彼は深くシートに座り込んだ


今度は彼が真正面を見て

ため息をついた


「どうしたんですか?」



彼の様子が気になった

こんな時は彼が落ち込んだ時なのだ


彼はゆっくりと私を見た



大倉「俺、負けへんから

何があっても」


そう寂しそうに言ったのだ


「私もです.....

負けません

だから安心してください」


そう言いながら私は指に光る指輪を見た

それを見た彼は


そっと

その手に自分の手を添えてきた



大倉「愛してる....」


私は彼を見た


「知っています....」



私は少し恥ずかしかった

その気持ちを知られたくなかった



大倉「ほんま、ムードないなぁ」


彼は笑いながら私を見た


「.......」


私は少し拗ねた顔をすると



大倉「怒らんの」


そう言いながら優しくキスをした



唇を離した彼を見つめながら



「怒らすの得意ですよねぇ....」



大倉「それは自信がある」



彼は嬉しそうに言った

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