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モノグラム

第36章 照れ臭い時間




それを彼は聞くと

優しい口調で答えてくれた



大倉「そうじゃないねん

今がアカンやて」



「今が?」


私は何となく分かってきていた



大倉「事務所が俺らに力を入れてるから

スキャンダルが御法度なんや」


「.....傷がついたらって事ですか?」


大倉「そうそう、そんな感じやね」


彼は小さく笑った


私は

事の重さを受けて黙って俯いた


その様子を彼は見て

落ちついた声で話す



大倉「やから、今はなんや」



優しく頭を撫でてきた

その彼を見つめると



大倉「俺は絶対に文句を

言わせんぐらい

俺が大きくるから

待っといて欲しい....」


彼は少し寂しそうに

そして辛そうに言ったのだ


「分かりました....」



その時に

私たちは車にたどり着いた



彼は静かに車の鍵を開ける


いつものように二人は乗り込み


私がシートベルトをしようとした時だった



大倉「なぁ.....」



彼が不意に声をかけてきた

私が何かと思って彼を見ようと

顔を向けた瞬間

彼の顔がゆっくりと近づいてきて


「!!!!!!!!!!!!!!!!」


私の唇は彼の唇で塞がれたのだ

彼はゆっくりと唇を離すと


恥ずかしそうに


大倉「ほんなら、行こうか....」


そう言うとエンジンをかけたのだ



私もどうしていいのか分からずにいた

照れ臭く幸せな時間だった


彼は何も言わずに運転していた

それを私は見つめていた



こんな幸せな時間が

続く事を願っていた




これからの二人の

甘い未来を考えながら

私は照れ臭い時間を

過ごしていたのだった


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