第36章 照れ臭い時間
彼の部屋でかなりの時間が過ぎていた
安田さんも丸山さんも
酔っぱらってしまったようで
ソファーで
二人とも寝てしまっていた
「すっかり眠ってしまったみたいですね.....」
私は少し笑いながら
二人に毛布をかけながら
小声で話をした
大倉「めっさ飲んでたもんな」
彼も笑いながら
テーブルの上の
コップと皿を片付けだした
私はその姿を見ながら
「そう言えば
大倉さんは飲んでませんでしたね?
お酒は飲まないんですか」
私も
傍に行くと彼の手伝いを始めた
大倉「飲むで」
彼はキッチンに運びながら言った
彼が飲まなかった意味を
私は考えながらテーブルを拭いていると
大倉「飲んだら運転出来へんやろ?
そしたら送られへんしな」
キッチンから戻ってきながら言った
「そうでしたか....」
私は彼を見つめた
大倉「他の男がおる所に
大切な人を泊めさせられへんからな」
そう言うと
車のキーを手にして微笑んだ
私は驚いていると
大倉「遅くなったけど
今から送るわ」
彼は優しく私に言ったのだ
「.....ありがとうございます」
私も彼に微笑んだ
私は嬉しかった
彼の優しさが胸に沁みてきて
愛されてる自分が
どれほど幸せかを
感じていた
彼が横に立っていて
私に手を伸ばすと優しく握った
私は微笑み返す
大倉「....行こうか」
そう言うと彼は歩き出した
駐車場までの道のりを
進んでいると時に
私は彼に疑問をぶつけてみたのだ
「マネージャーさんは
私では相応しくないと
思っているんですよね?」
私には
ここまで反対される
理由が分かっていた
彼に相応しくないのも
分かっていた