第35章 決心
彼は私に指輪を差し出しながら言った
大倉「マネージャーが認めてくれへんから
これからは、会うことも
困難になると思う
だから寂しい思いをさせると思うねん
やけど
俺の気持ちは変わらんって
信じて欲しくって....」
寂しそうに
でも力強く話す彼を見つめていた
「.......」
大倉「俺の気持ちもアンタの気持ちも
今からの困難には折れる事があるかも
知れへん
たぶん....」
私がいつまでも指輪を受け取らないので
彼は指輪を握りしめた
大倉「だから、マルとヤスが
俺の気持ちの承認の意味で
立ち会ってもらってん
二人の前で誓いたいねん」
「誓う?」
安田さん丸山さんは
静かに見守ってくれていた
大倉「俺は本気やねん
未来を誓いたいねん....
何があっても離れんて....」
彼の手が震えていた
それを私は見て
切なくなり
ゆっくりと手を伸ばて
彼の握りしめている手に添えた
「ありがとう....」
私の言葉に彼の顔が明るくなる
「そんなに思ってくれて.....」
彼は大きなため息をすると
再度、私を強く見つめ
大倉「受け取ってくれる?」
彼は不安そうに聞いてきた