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モノグラム

第34章 不安




 車がある高級マンションの

前に車を停車すると

安田さんは

後ろを振り返りながら私に言った



安田「悪いけど

マルと先に行っててくれる?

俺は車を停めて来るからさ」


私は頷くと静かに降りた


丸山さんは車から降りると

背伸びをしながら身体を伸ばしていた


私は

そのマンションを見上げて

驚いていた


私には縁のない建物だったから


丸山「来るのは初めて?」


いつまでも見上げている

私に丸山さんが聞いた


「はい.....」


私の恥ずかしそうに答えた


丸山さんは私に微笑むと

マンションのインターホンを押した


後ろでドキドキしながら

私が待っていると

マンションの入口の扉が

開き二人で中に入った


広いロビーの奥にエレベータがあり

丸山さんは何も言わずに進んで行く


それを私は何故か

不思議な感じで受けていた



エレベーターに乗っている時に

丸山さんがやっと私に話しかけた


丸山「驚かないでね....」


何の事かわからずに

私は焦った


その私の様子を見ると

丸山さんは少しだけ微笑む


「あのぉ....」


私が言葉をだした時に

エレベーターは目的の階に到着し

丸山さんが先に降りた

私は黙って着いて歩いたのだ


奥の部屋の扉の前で

またインターホンを鳴らすと

待っていたかのように

直ぐに扉が開いた


大倉「ありがとうな....」


久しぶりの彼だった

でも元気ないように見えた


丸山「ヤスは車を停めてから来る」


丸山さんは、そう話すと

家の中に進んで行った


大倉「おん、分かった」


会話を交わした後に彼は

一人廊下に取り残された私に


大倉「ごめん、中に入ってくれるか?」


その言葉に静かに頷いた


中に入ると驚いた

整理整頓された部屋で

テレビで見る

モデルルームのようだった


丸山さんの言った事は

これなのかと

私が立ち尽くしていると


大倉「どないしたん、適当に座って」


そう優しく後ろから

声を掛けてくれた


「うん....」


私が静かに座ると

隣に座っていた丸山さんが笑った


丸山「綺麗でしょう?」


私は無言で頷いた


彼の生活感を見せられて

戸惑っていたのだ


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