第31章 恋愛は
だから私は清まして言った
「違いますよ
お世話になったんで....」
私の言葉を聞くと安心したように
大倉「そうなんや....」
その時
私はある事を思い出したのだ
「あっ、そうだ....」
大倉「うん?」
彼は私の顔を見る
「私の電話番号は知っていますよね?」
その言葉に彼は小さく笑ったのだ
その笑いを私は理解できず不思議だった
だから、彼を見つめ続けた
すると照れ臭そうに
話し始めた
大倉「知ってたけど....
俺の女になるまで
電話をせんとこうと決めてたん」
彼の意外な言葉に私は驚いていた
「なんですか?それ....」
大倉「男の意地ってやつかな?」
彼は恥ずかしそうだった
「男の意地ですか?」
この意味が分からなかったが
そう言っている彼が少しカッコいいと
感じていた
男の意地を持っている彼を....
大倉「また、呆れてるん?」
彼は笑いながら私に言った
その時には
私たちは彼が停めてある
車の前に到着していたのだ
「少しだけ....」
返事をする私に
彼は笑いながら
車の扉を開けてくれた
大倉「さて、どの辺りを走ろうかな?」
そう言いながら乗り込み
シートベルトを締めた時だった
彼のスマホに着信音が鳴る
大倉「悪い、ちょっと待ってな」
そう言うと
彼はスマホの画面を見た
私は静かに待っていた
彼と付き合ってると
こんな事は多々あるからだ
彼はスマホを置くなり言った
大倉「悪い、ヤスが呼んでるから
良かったら一緒に付き合ってくれん?」
「えっ?」
私はエンジンをかけてる彼を見た
大倉「今の電話は
後輩なんやけどさ
ヤスが、酔っぱらって大変なんやて」
私はため息をついた
それを知った彼は
大倉「もし、明日に用事があるやったら
このまま送るけど....」
寂しそうに言ってくれた
「いえ、大丈夫です
付き合います」
私の返事を聞いた途端に
彼は嬉しそうに笑って
車を走りださせた
この事件が
私たちの未来に大きな影響するなんて
私と彼は思うはずもなく
安田さんのもとに急いだのでした
彼の仲間の助けたい一心で