第30章 告白
彼は私が泣き止むのを
抱きしめて待っていた
静かに涙を拭いて彼を見た
「もう、私と会って
大丈夫なんですか?」
私の質問に少し困った顔を見せたが
笑いながら
大倉「まぁ、俺もええ大人やしね....」
彼は言葉を濁した
私は
問題は解決してないと察した
「....そうですか」
俯く私に彼は
突然に私の頬を両手で持つと
強引に顔を上げさせたのだ
そして強い口調で
大倉「俺の気持ちは、変わってへんから」
「.....」
私はその言葉に驚きながら
彼を見つめ続けていると
大倉「絶対に振り向かすからな」
そう笑顔で言った
私は
胸の奥が熱くなりながら
今度は
自分が勇気を出す番だと思った
「大倉さん、明日....会えますか?」
私が不安げに告げると
大倉「もう、次にするのは止めよう?」
「えっ?」
また私を強く抱きしめられた
大倉「大事な事は明日にしたらアカンやろ?」
そう言うと
辛そうに私を抱きしめ続けたのだ
「でも、ここでは....」
私は、少し困っていた
彼の言う事は最もだが
この道端で話をするのは....
大倉「そんなら、俺の車で話そうか?
帰りは送るからさ」
私は小さく頷いた
それを合図に彼は歩きだした
私は
考えていた
彼はどうするだろう?
私の話を聞いてどんな風に思うのだろう?
とても怖くって仕方なった
でも避けては通れない道だった
自分の聞こえそうな鼓動を感じながら
彼の後を静かに着いて歩いていたのだ