第30章 告白
彼の車に乗り込むと
二人ともため息をついた
そして
彼は何も言わずに
私の言葉を待っているようだった
私は勇気をだして話し始めた
「大倉さん、実は私は.....」
彼は私を優しく見つめ
言葉を待っていた
「前の恋人と事故を起こした事は
話しましたが
その時に....」
怖かった
彼の顔が見れなかった
俯いたまま
肌を隠すように着ているブラウスを脱いだ
彼の身体が少し動いたのが
見てなくても音で感じた
「.....だから
私は大倉さんの彼女には相応しくないんです」
他にも色々と言葉は考えていたが
それを言うのが
本当に精一杯だった
言った後
俯いたまま黙って彼の言葉を待った
しかし
どんなに待っても彼の言葉はなかった
彼はこの傷に恐怖して
言葉をなくしているのだろうか?
それとも
もう私の事を見たくもないのだろか?
私が恐る恐る彼を見ると
「!!!!!!!!」
彼は声も出さずに涙を流していたのだった
ただただ、涙を流していた
「大倉さん?」
私が驚きながら声をかけると
自分の涙を拭きながら
大倉「そんな重いものを背負てたんか…」
私の胸の奥から感情が溢れてくる
大倉「ずっとずっと一人で背負ってたん?」
私は彼の顔が見れずに俯く
大倉「辛かったな....
ずっと辛かったな.....」
彼は泣きながら私を抱きしめた
私は身体を震わした
大倉「もう、頑張らんでええから....」
そう言いながら私を抱きしめ続けた
「でも、こんな傷のある女とは....」
私の言葉に
彼の抱きしめる腕に力が入る
大倉「俺は、その傷ごと愛してる....」
私の目から涙が溢れだした
声を抑える為に口を必死で手で抑えると
その手を彼はそっと外させ
大倉「もう、何も我慢せんでええんやで
涙も.....
心の声も....
全部、一緒に背負うから....」
涙で彼が見えなくなった
そんな私を
自分も涙を流しながら
彼は抱きしめ続けてくれたのだ