第29章 動き出す
そんな私に彼は申し訳なさそうに言った
大倉「.....ごめん」
そんな姿の彼を見て
私は何も言えなくなって
目からこぼれ落ちる涙を必死で拭いた
大倉「....嫌われてたらって思ったら
声かけるの怖かった....」
泣いてる私を見ながら
彼が寂しそうに言う
その言葉を聞いて
私は両手を握りしめた
「大倉さんの馬鹿!」
彼は驚いた顔をした
「馬鹿!馬鹿!馬鹿!」
私の感情が爆発したのだ
「無理矢理、人の心に入ってきて
煩わしいの嫌いって言ってるのに
いつもめんどくさくさせて!」
彼は
感情のまま怒る私を黙って見ていた
「こんなに、人を待たせて
どんなに会いたかったか....
嫌いになれたら
こんなに苦しくなかったのに...
辛くなかったのに!」
自分自身でも
何を言ってるかわかんなかった
だた感情のまま
必死で悔しさをぶつけていた
そんな私を黙って見つめていた彼が
突然、私は優しく抱きしめた
大倉「ほんまに、ごめんな....」
「......」
彼の声が私の耳に入る
大倉「馬鹿でごめん...」
「......」
彼は抱きしめる力を強めてきた
大倉「こんなに待たして、ごめん」
私は、彼を睨んだ
大倉「弱虫でごめん...」
涙が止まらない
大倉「お前をこんなに愛してしまって
ごめんな....」
私は彼に強く抱きついた
そして、声をだして泣いた
彼は泣く私を抱きしめたまま
頭を優しく撫で続けた
こんなに素敵で幸せなった
ごめんは初めてだった
彼の胸でやっと待っていた
時間を手に入れた
そしてもう二度と離れたくないと
強く彼を掴んでいたのだ