第28章 転機?
その日から彼はまた
店の方には来なくなってしまった
そしてメンバーの人たちも
誰一人来なくなってしまったのだ
1ヶ月経ってもだと
仕事だと思ってる部分もあるが
心の隅に胸騒ぎというのだろうか?
不安な気持ちが疼きだしていたのだ
あの夜の態度を
いくら後悔しても遅かった
あの時にちゃんと話していたら
こんな風にはならなかったのか
そんな事ばかりを考えて過ごしていた
仕事場は、あんなに人が来ていたのに
彼らが来なくなり
人があまり来店しない状態に戻っていた
それが余計に私に寂しさを生んでいたのだ
今日も仕事をしながらも
実は心の隅では
彼の姿を待ってる自分がいた
また、来てくれると期待している
自分が消えなかったのだ
入ってくるお客を見ても
どんなに待っても
店が終わる時刻になっても
やっぱり彼は現れなった
私のため息の回数は多くなっていた
彼の気持ちは変わったのかもしれない
なら、それはそれでいいのだが
もう一度だけ
もう一回だけ
あの笑顔を見たい.....
嫌われててもいいから
大倉さんに会いたい....
そう願い続けていた
いつその願いは届くと分からなかった
それがより一層
私を悲しくさせていたのだった