第26章 作戦
こうしてメンバーの人たちが
一緒に食事に来て
終わった後は
彼だけが別の場所に移動して
彼の待ってる場所に残った人が案内する
彼のスキャンダル対策としての
考えらしいが
これでは余計に噂になると私は思っていたが
別の事では噂になっているが
いまだに私の事はバレてはいなかった
たわいもない話をしながら
彼が待っている先に二人で足を進めていると
不意に安田さんが真剣な顔になった
安田「なぁ?」
私は何かと思い
不思議そうに見つめた
安田「なんで大倉の彼女になれんの?」
私は身体に電気が走るような衝撃だった
安田「アイツ、本気やで?」
そんな事は
安田さんに言われなくても分かっていた
私は、自分の左肩をおさえながら
無言でいた
安田「忘れられん人がいるって聞いたけど....」
安田さんの言う通り
恋人の事は忘れられるわけはなかった
私が命を奪った人を
でも、私は大倉さんと出会ったおかげで
前を向けた
笑顔を涙を取り戻した
そして私の心は.....
しかし
私は彼の特別になるには相応しくない
私は左肩を押さえながら何も言えずにいた
この傷を知って
それでも彼は私を好きと言うだろうか?
自分でも目を逸らしたくなる
この傷を見て
何も言わない私に
安田さんはイライラしてる様子を
見せていたが
それ以上、私に何も言わなかった
その時
安田さんのスマホに
着信の音が連発で入った
安田さんはスマホを見ると
小さく笑った
そして自分のスマホを私に見せながら
安田「大倉からや、遅いから心配してる
早く行こうか?」
安田さんのスマホには
大倉さんが
《遅い》
《まだなん》
《寂しいやんけ》
《何してる?》
《手をだしてないやろな》
《早くしろ》
こんな文が止まる事無く
送りつけられていた
私は驚いた顔見せると
安田さんは歩き始めた
私の胸は痛かった
いくら愛しても飛び込めない自分が
この傷が私を躊躇させている
話せる勇気すらない
私の心は落ちていたのだった