第24章 別れの時
車内に残された私の心は大きく動揺していた
「あのぉ.....」
この状況に自分の気持ちを
落ち着けようとしていた
大倉「いつものように会えなくなってん」
彼は辛そうに話した
私は、彼を見つめて
「私の所にマネージャーさんが来ました」
その言葉に彼は驚いた顔を見せた
「もう....
会わないで欲しいと頼まれました....」
私の言葉を聞き
彼は大きなため息をついた
大倉「で、なんて返事したん?」
その時、何故か私の胸が不安で埋められる
気がした
「返事はしていません
私の言葉を聞く前に帰って行ったので」
大倉「そっか......」
そのまま彼は口を噤むと
いたたまれない空気の中で
二人は言葉を探していた
自分たちとの思いと全く別方向に
動いている人生に
どうする事も出来ないでいたのだ
本当なら
このまま別れる道を選ぶべきだと
分かっていながら
私の口はそれを発する事が出来ずにいた
自分の心がそれを望んでいないと
今の自分には分かっていなかったから
ただ、この重い空気に
二人で肩を寄せ合っていただけだった