第24章 別れの時
私としばらく見つめ合った後に
「それでは
よろしくお願い致します.....」
マネージャーさんは私の返事を聞かずに
また深々と頭を下げると
私の前から足早に去っていた
その後ろ姿を私は、黙って見送っていた
別れとは時として
突然やってくる
それは私自身が一番わかっていたのに
私が彼の優しさに
甘えていた結果なのかも知れないと
思って涙を堪えていた
店の方では相変わらず
彼のシンデレラ探しで盛り上がっていた
今日は来るのかとか
嬉しそうにしている同僚を見ると
何故か少し羨ましくも感じてしまう
これが現実と夢のギャップの差なのかもしれない
私は仕事をしながら考えていた
もう彼とは二度と会う事はないだろうと
仕方がない別れ方に
寂しさを無理に納得させようと
させていたのだった
何も知らないで騒いでいる同僚が
羨ましくもあったのかもしれない
私は彼がいつも座る席を
寂しく見つめていた