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モノグラム

第24章 別れの時




 それから何日たっても

彼は店には来なかった



いつもの事だから

仕事が忙しいのだろうと思っていた


私の知らない間に事は大きく動いていたのに




 そんなある日の事だった

出勤前に店の前を

歩いていた時だった


目の前に見覚えのある人が

店の前に立っていたのだ


「お久しぶりです」


礼儀正しく

頭を深々と下げて挨拶したのは

彼のマネージャーだった


「こんばんは.....」


私は彼が現れた事で嫌な予感がした


彼は私の顔をじっと見て

ゆっくりと声をだした


「少しだけお時間はいいですか?」


私は店の方を見ながら言った


「私、仕事前なので....」


「お時間は取らせませんので....」


優しい口調だがどこか怖さが漂っていた


「なんでしょうか?」


私の言葉に対して彼は少しだけ間を取ると

キッパリと私に言ったのです


「大倉とはこれ以上

会わないで頂きたいのです」


「........」


私は言葉が出ずに彼を見つめた


「大倉にとっては

今が大事な時期なんです

スキャンダルや

恋に浮かれている場合ではないので

それをご了承願いたいのです」



私は震える身体を必死で抑えながら


「私たちは友達ですなんですが....」


「世間からは

スキャンダルにしかならないのです」


彼の言葉に何も言えなかった

彼の事を思えばそうだから

離れるのが一番だと私自身も理解している


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