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モノグラム

第22章 花火





 そんな二人を見て

私はため息をつき

二人が取り合っているライターを

サッと取り上げてた



「私からいきます....」


大倉・安田『えっ?』


「レディーファーストという事で....」


伝えると躊躇なく花火に火を付け

ライターを二人に返した


唖然として私を見ている二人を無視して

花火は綺麗に火が噴き始めた


二人は小さく笑うと

順番に花火に火を付けて楽しみ始めたのだ



綺麗な火の光と立ち込める煙に

私たちは自然に笑顔になっていた


彼と安田さんはお互いにふざけるように

火を掛け合っていた


その中で

静かに安田さんが彼に話し始めたのだ


安田「なぁ、大倉...」


大倉「なん?」


彼は新しい花火に火を付けながら返事をした


安田「彼女すごいな」


大倉「何にが?」


安田「やて、俺らから平気な顔して

奪い取るんやで

今までの女なら、絶対にせんし

なんやろ?

黙って見てるか

もぉ、やめてよとか言うやん」


大倉「......」


安田「なんか、普通でおれるなぁって」


大倉「そうやな....」


彼は花火の火を見ながら

何かを考えているようだった



「あのぁ、聞こえているんですが....」


二人に少しだけ距離を置いて

花火を楽しんでいた私は

素直に申告した


安田「えっ、マジ!」


「はい、最初から....」


安田さんは完全に焦っていた


大倉「ほんまアホ....」


彼は苦笑いしていた


安田「その、悪口とかちゃうで

なんかさぁ、ほんま居心地がええと言うか

なんやろ....」


安田さんは私に伝えようとしていたので

それを私と彼は静かに見守っていた

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