第20章 心の中は
考えてしまう
彼は何を考えているのだろ?
こんな無理矢理に二人きりになったのだろ?
何か話があったのだろうか?
すると彼が優しい声で言ってきた
大倉「なぁ....」
「はい....」
私が返事をしても
しばらく彼は何も言わなかった
言葉を考えているのだろうか?
そんなことですら
今の私は不安になってしまう
大倉「俺、アンタには迷惑ばっか
かけてるなぁって....」
予想もしない言葉に
私の心臓の動きが速くなるのを感じていた
大倉「いつも、ため息をつかせてるし....」
彼はゆっくりと空に顔を向けた
私も空を見てみた
星が見え始めていた
大倉「ほんま、俺って男は...」
彼は今日に安田さんが来たことを
本当に申し訳なく思ってたんだ
それが悔しかったから
拗ねた態度でいたんだ
ずっと一人で
今の自分にジレンマを感じていて
苦しんでいたんだ
彼の気持ちが
少し分かった私の胸は痛かった
そんな彼を少しでも励ましたかった
「こんな私を
前向かせてくれましたよ....」
彼は驚いて私を見た
「生きていく事が辛かった私に
前に進めるようにしてくれました....」
そう伝えると私は言葉に詰まり
俯いてしまった
こんな時に
上手く元気付ける言葉が見つからない
自分が悲しかった
こんなに自分を支えてくれたのに