第18章 複雑化
その時
彼のイライラが最高潮になったのだ
大倉「ヤス、ホンマにうるさい!
黙っといて!」
突然、彼が怒鳴った
安田「ちょっと話してただけやんか....」
安田さんは、口を尖らせて言ったが
彼は怒ったまま無視をしたので
安田さんまで黙ってしまった
車内に嫌な空気が漂っていた
彼の機嫌が何故ここまで悪いのか
この雰囲気で食事をするかと思い
外の景色を見ながらため息をついた
大倉「また、呆れてる.....」
彼が運転をしながら言った
「そりゃ....」
後ろの席の安田さんに聞こえないように答えた
大倉「そりゃ、呆れるか.....」
彼は苦笑いをしていた
私は彼の意図が掴めずに困惑していた
今回なぜ安田さんがついてきたのかも
何も分からなかったから
二人で最初に行ったレストランに来ていた
大喧嘩した場所だ
山の上で空気がやはり気持ちがいい
彼は車から降りると
誰にも何も言わずに早足で店に向かった
私も急いで追いかけようとしたら
安田さんが私の傍に寄って来て
安田「今日はお邪魔してごめんな...」
「いえ、大丈夫です...」
私が返事をすると安田さんは嬉しそうに
安田「大倉のマネージャーに頼まれてさぁ
なんか、大倉が勝手な事をせんように
見張っといてやて」
安田さんは笑いながら言ったが
私はその事に驚いていた
その私の様子を見ながらも
話を続けてくれた
安田「昨日も
マネージャーとずっと喧嘩してたんやで」
「喧嘩ですか?」
安田「最近、二人は
なんか揉めてるみたいやねん」
「そうなんですか....」
私が心配そうに言うと
安田「俺らにも何も教えてもらえんから
まぁ、話しくれるまで待つしかないやけどな」
私は安田さんの話を聞いて
小さく頷いた
すると、優しく微笑みながら
安田「これ以上、アンタと二人で話してたら
余計に大倉の機嫌が悪くなるな」
そう言うと、安田さんも
店に向かう彼の方に走って行ったのだ
私は、安田さんの話を聞いて
彼が何を抱えているのか
心配になって
少し心を痛め始めていたのだった