第18章 複雑化
次の日の昼過ぎにスマホに
見慣れない番号の着信が入った
『はい.....』
大倉『大倉ですが....』
声だけで誰か分かった
大倉『今から食事でもしに行かん?』
『....用事は?』
何故か沈黙になる
私自身も言葉が見つからない
彼はどうしたんだろ
不安な気持ちになる
大倉『ちゃんと終わらした....』
彼がボソッと言う
『本当に?』
私は不安から確認をしてしまった
すると彼は拗ねた口調で
大倉『おかんみたいな事を言わんといて』
その言葉を聞いて
実は笑ってしまった
でも悟られないように答えた
『わかりました
一時間後に待っています』
大倉『了解....』
電話を切った後も感じていた
彼の声が何故か元気がなかった
無理に明るくしているように感じたのだ
会えば、何か分かるだろうと
軽く考えていた
いつもの場所で待っていると
彼の車が静かに止まる
私が黙って車に乗り込もうとすると
いつもと違うことに驚いた
安田「こんにちわぁ!」
車の後ろの座席に安田さんが乗っていたのだ
「こんにちは....」
戸惑いながらも返事をしながら
彼を見ると不機嫌だった
私も気まずい雰囲気で座ると
彼は無言で車を走らせたのだ
安田「えっと、いつ以来かなぁ?」
安田さんは社内の暗い雰囲気なんて
お構いなしのように私に話しかけてきた
「たぶん、撮影の時にお会いしました」
安田「そやそや!
マルも一緒やってんな!」
安田さんはニコニコして嬉しそうだった
「あのぉ....今日は?」
私が何故、安田さんが乗っているのか
知りたかったのだ
電話では聞かされていなかったから