• テキストサイズ

モノグラム

第15章 思い




 事故の後

気が付いたら私はベッドの上で目を覚ました

全身に痛みが走っていた

体中が包帯を巻かれていて

左腕が動かない事に気が付いた



しばらくしてから

親から彼が亡くなった事を聞かされた




その日から私はずっと泣いた

身体の痛みも少しずつ治っていっても

左腕が動かせるようになったが

涙は止まることなかった

このまま泣きながら死にたいと願ってさえいた

そんな私に親友は言ったのだ




「彼を泣くことも笑うことも出来なくした

貴女を絶対に許さない....」





その言葉から泣くのを止めた

そして笑うことも


これからの人生を消して生きようと決めたのだ








 泣き続けている私を彼は抱きしめていた



彼の胸にいていいのだろうか?

私は少し不安になる



私は、涙を拭きながら彼を見た


大倉「うん、どなんしたん?」


私は静かに首を振った


「私、そろそろ帰らないと....」


静かに彼から離れると

寂しそうに声を掛けられた


大倉「今夜は、送らせてや?」


私は首を振って答えた


大倉「アカンの?」


「アカンの....」


大倉「そっか...」


私は彼に背中を見せて歩き出した

すると彼は、ゆっくりと後をついて来る



私は振り返り彼を睨んだ


大倉「俺は送ってるんじゃなくて

勝手に歩いてるだけやし

たまたま一緒の方向なだけやの」


得意げに言った

私はため息をすると

また歩きだした


彼は黙ってついて来る


私は少し早足になってみると

彼も早足になる


ゆっくり歩くと彼もペースを落とす

ずっと私の後を付いてくる


少し頭にきた私は突然に走り出した

その事に驚いた彼は急いで走ってきた


/ 189ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp