第14章 償い
私と彼はその場に立ち尽くしていた
涙を拭いている私に
彼は声を掛ける事も出来ずに
困った顔をしていた
「私、今日はもう帰りますね...」
私はそう告げて彼の前から立ち去ろうとした
彼は、立ち去ろうとする私の腕を掴んだ
大倉「なぁ、そんなに俺はアカン?」
そう言った彼の目が切なかった....
違うんだと言いたかった
しかし私はその言葉を飲み込んだ
大倉「アカンかったら
俺はもうアンタの前から消えるから」
その言葉に動揺し彼を見つめた
何と答えていいか分からなったから
見つめる事しか出来なかった
その時だった
私の目の端に
ある人影が入って来て衝撃を受けた
その人は、私と彼を不思議そうに見ていた
私はその人を知っていた
親友だった人....
顔をそむけたが
彼女はゆっくりと歩み寄って来た
「こんばんは」
「........」
彼女が私を見る
「お久しぶり、元気そうね」
そう言いながら
彼女は彼の顔を見ると
少し驚いた様子を見せた
「自分は生き残って、幸せそうね?」
私に呆れるように言った
「.....ごめんなさい」
私は、顔をそむけた
彼女の顔が見れなかったのだ
「あの人は空で泣いているわね」
私の胸が大きく疼く
そして、彼女は彼を見ながら
「初めまして、私は彼女の親友だったんです」
彼女は微笑みながら彼に話だした
大倉「あぁ....」
彼は私に気を使うように返事をする
「彼女に好きな人を取られて
そして殺されたんです」
「!!!!!!!!!!!!!」
「この人は人殺しなんです」
彼女の言いながら私を指した
彼は驚いた顔で私を見た
私の過去を彼に知られた瞬間だった
嫌われると悟った
もう、彼との夢の時間は終わったと.....