第11章 変化
私は彼より一足先に帰るために
車に向かって歩いていた
私は歩きながら足元を見ていた
このキラキラしている世界は私には眩し過ぎて
顔を上げる事が出来なかった
みんな楽しそうに顔を上げて前だけ見て
仕事をしている
そう彼も....
後ろを向き続けている
私とは世界が違い過ぎていた
そんな事を感じていると
私は突然人にぶつかったのだ
慌てて顔を上げると
丸山「ごめんなさい、大丈夫?」
優しい顔で私を心配していた
「私の方こそ、すいません」
私が頭を下げると
丸山の後ろからひっこり顔をだして
安田「あっ、大倉がいつも話してる子やん!」
安田さんが私に嬉しそうに言った
すると、丸山さんまでもが
丸山「あの話の人?」
そう笑顔で話しかけてきた
私は驚いた
彼は仲間に、私の事を話していたなんて
安田「それより今日はありがとうな
ええモノが出来るわ」
「いいえ、お力になれたのなら」
私がいつものように返事をすると
丸山「噂通りクールなんやね」
感心してながら言った
「まぁ、これが私なんで...」
安田「ほんま、カッコええ」
何故か褒められているのが
不思議で仕方なかった
この性格は嫌われてばかりいたからだ
丸山「まぁ、大倉をよろしくお願いしますね」
何故か頭を下げられた
私は恋人でもないのだが
彼の仲間にどんな風に
捉えられているのだろ?
「あのぉ....」
私は二人にハッキリと言おうとした時だった
大倉「お前ら何やっとんねん!」
彼が大声で言いながら走って来たのだ
安田「ただ、話してただけやでぇ
なぁ」
安田さんがニヤニヤしながら言うと
彼は拗ねた顔を見せた