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モノグラム

第10章 傷跡




 私には人に見せられないモノがあった



.....それは罪の証



 あの日の雨はすごかった

前が見えないぐらい強く降っていたが

門限が間に合わなくなった私の為に

彼はスピードをいつもより出して運転をしていた

そして、カーブでタイヤが滑り....




大倉「着いたで....大丈夫か?」


彼が私を優しく揺すって起こしてくれた

私は知らない間に寝ていたようだ



私は額に汗をかいているのに気が付いた

汗を拭きながら


「大丈夫です、すいません」


降りる準備を急いでいる私に彼は心配そうに


大倉「顔色が悪いけど?」


私は彼に首を振りながら

車からゆっくり降りた



目の前に見える墓地には大勢の人がいて

それぞれが仕事をしていた

その姿を見て私は少し緊張をしてきた

私はとんでもない仕事を

受けてしまったのではと思い始めていた

すると、彼は私の腕を強引に掴むと


大倉「体調が悪いんやったら

少し休んでからでええからな?」


摑まれた彼の手を見めると

その事に気が付いた彼は慌てて離した



「大丈夫、辛かったら言うから....」


私の言葉にまだ納得いかない様子で彼は


大倉「ほんまに、ちゃんと言えよ!」


私は素直に頷いた

そして彼から離されるように

衣装の所に連れて行かれた

衣装の担当の人は

優しい感じのする女の人だった


「初めまして、一応 聞きましたが

一回この衣装を着て頂けますか?」


私は、その言葉に躊躇していた

すると、女の人は微笑みながら


「このワンピースの上に

カーディガンを着て戴くので大丈夫ですよ」


いろんな色のカーディガンを見せながら


「色を決めかねいているので

一回着て欲しいです」


その言葉に私は

静かに頷くと更衣室で着替えた

目の前の鏡を見て

私は大きくため息をついていた



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