第84章 新たに
なかなか受け取らない私に無理矢理に渡すと
大倉「ほらぁ、開けてみて」
彼の言葉に促されるように箱を開けると
箱の中に大きな石の付いた指輪が
静かに光っていた
「・・・大倉さん、あのぁ・・・」
見つかった事を私は伝えなきゃと思い
言葉をだしたとき
その時に私の指に指輪があるのを
彼は知った
大倉「それ・・・・」
私は申し訳なさそうに伝えた・・・
「実は、後輩が落ちてるのを
見つけてくれてて・・・」
その言葉に彼は驚いたような顔をしていたが
突然に笑い出した
「大倉さん、本当にごめんなさい・・・・」
私は謝るしかなかった
笑っている彼に謝り続けると
静かに私に見つめると
大倉「それ貸してくれる?」
「えっ?」
私は驚いたが
彼はそれ以上は何も言わずに
手の平を前に出して私を待っていたので
黙って彼に指輪を渡した
すると、彼は突然に振りかぶって
山の上から指輪を放り投げてしまったのだ
「お、大倉さん!!!!!!!」
私は、驚きのあまりに大声を出してしまった
すると彼は静かに私の方を向き
大倉「今から、新たにスタートしよう」
真剣な目で私に言ったのだ
「新たに?」
大倉「おん、ホンマの二人の未来の為にさ」
そう言うと私の指に優しく指輪をはめたのだ
大倉「この指輪に誓う
二度と離さんと・・・・・」
彼は指輪をはめながら言うと
静かに私の唇をふさいだのだ
それは、未来の誓い
幸せへの約束のように
私の胸を、登ってくる朝日のように
照らしていたのだった