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モノグラム

第81章 支え








その時

私の頭に彼が優しく手を乗せた

そして撫でながら





大倉「そんな事ぐらいで

こんな危険な事をするなよ

もし、何かあったらどないすんねん」




私は彼に撫でながら

こぼれそうな涙を必死で耐えていた




「そんな事ぐらいじゃないです・・・

あれは私の支えだったんです・・・」



そう彼に告げた途端に

私の目から涙がこぼれ落ちっていった


その様子に彼は動揺した




「あの指輪は大倉さんの気持ちだったから

離れていても夢じゃないって・・・・

私に力をくれていたのです・・・・」



私は泣きながら彼に必死で訴えた


その言葉に彼は静かに

私の涙を拭うように拭くと



大倉「・・・・そっか」



その言葉と微笑みを私にくれたのでした



「本当にごめんなさい・・・」




私は頭を深々と彼に下げた

すると頭の上から小さく笑い声が聞こえてきて




大倉「まぁ、失くなった物は仕方ないやろ?」



そう言うと強引に私の顔を上げさせたのだった

私は申し訳ない気持ちしかないので

笑顔すらなれずにいた



そんな私に変わらずに笑顔を見せると



大倉「さて、ホンマに遅くなってるから

家まで送るから今日は帰ろうか?」



そう言うと優しく私の手を握り歩き始めたのだ




頭上の月は無言で歩いている二人を見つめていた

優しく静かな光で

私たちの歩む道を教えてくれていた



私の彼の手の温もりを知り

二度と失いたくないと願っていた

しかし、私は彼からの未来を約束された

プレゼントを失くし

それが

どれだけの事を意味しているか



また、二人で始められた事を素直に

喜ぶ事が出来なかったのだ





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