第77章 別れ
そんな私を少し悲しそうな表情で彼は
大倉「・・・俺、考えたん」
そう言うと彼は黙ってしまった
私の胸の中の不安が大きくなる
我慢が出来ずに私は催促するよに
「何をですか?」
その言葉に彼は押されるように
大倉「今の俺では、アンタを守れん・・・
やから、別れてほしい・・・」
「・・・・・・・」
私の時間が止まり
何も私の中に入ってこなかった
そんな私に彼は容赦なく
大倉「ほんまに勝手な事を
言ってると思うけど・・・
分かって欲しい・・・」
そう言うと頭を静かに下げたのだ
私は自分の手が震えているのが分かった
そして目の前にいる
愛していた彼が別人のように見えていた
あんなに、優しかった彼は
もう私の前にはいなかった
「・・・・・わかりました」
私は、女のプライドとして
泣かずに静かに答えた
そしてゆっくりと立ちあがると
安田さんの部屋から出ようとして
安田さんの前を通り過ぎようとした時だった
突然に腕を掴まれた
安田「大丈夫か?ふらついてるで?」
そう言うと安田さんに私は笑顔で答えた
安田「今から送るな
大倉は勝手に帰ってなぁ?」
そう平然と言葉を安田さんは残すと
私の腕を掴みながら部屋を出たのだった
私は部屋を出ると
突然に涙を抑える事が出来ず
ドアにもたれるように泣き崩れた
そんな私を安田さんは傍に立ったままで
安田「よう我慢したな・・・・
好きなだけ泣いたらええよ」
そう言うと
私が泣き続けてる中を静かに待ってくれていた
人は突然に不幸になる
それは何故か分からない
幸せは突然に壊れると
私は知った悲しい夜だった