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モノグラム

第76章 暗闇





 その日の帰りに

私が重い足取りで店から出ると目の前から

人影が出てきた




私と親友の彼女が驚いていると





安田「ホンマにごめんやで」




そう言いながら

安田さんが笑っていた





私は安田さんを見て

全てを察した





「安田さん・・・」





私の表情を見ると安田さんは





安田「大倉も心配してたで大丈夫か?」




その優しい言葉に

私の涙腺が緩み

涙が溢れ出した




その様子に安田さんは驚き焦った




安田「ちょ、大丈夫か?」




私は恥ずかしくなって

涙を急いで拭いた




「す、すいません・・・」





そんな私の様子を見ていた

親友は肩を優しく抱いて




「私もいますから

心配しないでください」




そう言うと微笑んだのだ


安田さんはその様子を

静かに見守っていたが

ゆっくりと優しい声で




安田「大倉からお迎えを頼まれたん

一緒に来てくれるやろ?」




私は静かに頷いて答えた





私の返事を見ると安田さんは

親友に頭を軽く下げ

その場から歩き始めた



私は親友に



「それじゃ、行って来るね」



小さく笑って見せた




「ちゃんと話して来て下さいね」





彼女は優しく手を振って

見送ってくれた




安田さんの後ろを急いで追いかけ

私が後ろに来た事を知ると




安田「今は大倉のマンションには行けんから

別の場所に連れてくな」




「えっ?」




私が驚いて返事をすると





安田「大丈夫、心配せんで」



そう私に言って

前を向いて歩いたのでした





私は安田さんの後を歩きながら

今からの何が起こるのかと思うと

不安で仕方なかったのだ

でも心の何処かでは

彼を信じている自分もいたのでした

未来を信じている自分も・・・・





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