第75章 新たなる問題
次の日に私が仕事に向かうと
店の前に見覚えぼのある
男の人が人を探すように
キョロキョロと立っていた
私がゆっくりと近づくと
向こうも私の存在に気が付き
軽く頭を下げてきたのだ
彼のマネージャーが私の事を
待っていたのだ
「いつも、このように
急に現れてすいません」
彼はそう私に言いながら
周りを気にしていた
その様子が私には
不思議で不安にさせていた
「いえ、何かあったのですか?」
私は自分の気持ちを
抑えるように
答えた
「実は
二人の事がバレてしまったようで・・・」
「えっ?」
彼の言葉に私は驚いたが
心当たりはあったので
どこか冷静に
彼の言葉を受け止めていた
自分もいた
私の驚いた顔を見ながら
彼は話を続けた
「幸いですが
こちらが早くに気が付いたので
記事を消すことが出来ましたが
これからは
こちらにもマスコミが
来るかも知れませんので
気を付けて頂きたくって」
彼は早口で言ったが
私はあの夜の事を重く受け止めていた
「大倉にしばらくは
マスコミが張り付くと思うので
会にはこれないと思います」
「・・・・そうですか?」
私が俯くと
「あと・・・」
彼は言葉に一度詰まったが