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モノグラム

第7章 甘え




 私の気持ちが小さく動いていた


「そんな奴ですから」


私の言葉を聞いた彼は何も言わず

ただ私の前に立っているだけだった



そんな彼が今にも倒れそうに

感じたのだ


「大丈夫ですか?」


私の言葉に

彼は苦笑いをしながら



大倉「なぁ、ちょっと甘えてええ?」



その言葉に驚いた



「断っても甘えますよね」


私は冷たく彼に言ったのだが

彼は突然私の肩に頭を乗せると


大倉「よく分ってるやん....」



言葉と同時に

ため息を大きくついていた



今の彼を

私は突き放す事は出来なかった



人はそんな時がある事を

私は誰よりも知っていたから


弱っている彼を助けたいと

思っている自分がいたのだ



彼は、私の肩に顔を埋めながら

何かの辛さに耐えているように見える


大倉「なぁ....」


「なんですか?」


不意に彼が声をかけた


大倉「こんな時って、優しく抱きしめん?」


その言葉に胸が痛んだが

私にはそれは出来ない



「それを期待するなら

他の人に行ってください」


私がキッパリと伝えると

彼は笑いながら

肩からそっと頭を離す


大倉「だから、来たなんねんなぁ....」


冷たく見つめる私に

彼は寂しそうに笑っていた

そして言葉を続けた


大倉「他の女みたいにうるさくないし

やけど.....

誰よりも優しい….」


彼の言葉に驚いたが


「私は煩わしのが嫌なんです」


大倉「俺が煩わしいん?」


「かなり....」


私のキッパリとした言葉に彼は

不思議そうな顔をして


大倉「やのに、甘えさせてくれるん?」



「勝手に甘えてるだけです」



大倉「ほんま冷たいな....」



彼の言葉に私はため息をついた


冷たいなんて聞きなれていたが

今夜のこの言葉は大きく響いていた

なぜか...



「これが私なんで」



そう言った時だった

突然強引に引っ張られ

彼に胸に飛び込まされたのだ


「!!!!!!!!!!!!!!!!」


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