第69章 夜
二人でしばらくは抱き合ったまま過ごしていた
何も言葉がいらない
そんな気持ちの
良い時間を過ごしていた
そんな私を抱きしめながら彼が言った
大倉「・・・なぁ今夜
ずっと一緒におれる?」
私は驚いて彼を見た
そんな私を見ると
彼は照れた顔をした
大倉「やっぱ
アカンよなぁ・・・」
そう言うと静かに俯いた
そんな彼を見ると
私の胸がキュンと痛んだ
私は自分の胸の痛みと
彼の表情に負けて
「・・・・いいですよ」
彼が突然に驚いた顔をした
大倉「・・・・・」
私は突然に
恥ずかしくなってしまい
顔が赤くなる自分を感じ俯いた
大倉「・・・ほんまにええん?」
彼の確認の言葉に
私の胸が痛む
私は熱る頬を隠すように
小さく頷いた
大倉「ほ、ほんなら
俺の家の行こうか?」
私は頷くだけの返事をした
その私の様子を見て
彼は微笑みながら
車を発進させた
「・・・・家に
連絡していいですか?」
私は運転している彼に言った
大倉「ええよ・・・」
彼は静かに答えた
私は、彼に聞こえないように
母親に悟られないように
電話をした
電話をしながら
私の胸は大きくドキドキしていた
親につく嘘と
大好きな彼と
一緒に過ごせる夜に
電話をしながら
時々、運転する彼を見ると
余計に胸が熱くなっていた
私が見ている事に
彼は気が付くと
大倉「うん?」
心配そうに私を運転しながら見る