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モノグラム

第66章 見えない答え




 仕事が終わって更衣室でも

私は同僚たちに冷たい目で見られていた





しかし、彼女たちが

何か聞いてくる事はなかった




それは、答えが出たからかもしれない





私と親友の彼女は着替えが終わると

急ぐように店を出た




出た瞬間に私たちの前に彼がいたのだ




そう

出会った時のように道端に立って

スマホを触ってしたのだ




その周りを

話しかけたいが声をかけられない

同僚たちがヒソヒソと

話しながら立っていた




彼は私を見つけると

静かに近寄って来た




大倉「もう、ええ?」




その言葉を聞くと

親友の彼女が軽く頭を下げて

私の前から立ち去ったのだ




私と彼はその姿を無言で見送ると




「・・・・今日は

どうしたんですか?」



私は静かに聞いた

彼は目を伏せるように俯くと




大倉「ちゃんと話をしようと思って」





私は心の中で

やっぱりだと思った




「そうですか・・・・」





私は、震えそうな声を

必死で抑えるように答えた





大倉「ここでは、なんやから」





彼は、周りで見ている同僚を

見ながら少し笑って言うと


歩き出し





大倉「近くに車が停めてあるから

そこまで行こうか?」





私は、黙って彼の後を着いて歩いた






私は、この背中を何度見ただろ

寂しそうに感じる背中を




今、彼は何を思っているのだろうか




私は、それを考えると胸が痛かった


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