第6章 雨
ライトに照らされて私は眩しくって見えない
大倉「ほんまに
こっから一人で帰るつもりなん」
彼が窓から顔を出して私に大声で言った
「歩いていれば
駅に着きますから」
私は、彼を無視して歩き続けた
大倉「何時間かかると思ってるん?」
「朝までには着くと思います」
歩く私の後ろを
彼は車でゆっくりと着いて来る
大倉「アホな事を言ってないで
早く乗れよ!」
彼は車から怒鳴る
私は足を止めて、彼の方を向いて
「もう、私の事はほっといて下さい!」
私は怒鳴り返した
すると、彼は車を道に止め
降りて来たと思うと
歩き続けている私の腕を掴んだのだ
大倉「ほっとけるのやったら
先に帰ってるわ!」
そう言うと無理矢理に引っ張り
車に強引に乗せた
そして自分も車に乗ると
車に置いてあったタオルを私に投げたのでした
大倉「そのまんまやったら
風邪ひくで」
それだけを言うと、車を走らせたのだ
何も話さない時間
私は、彼からのタオルで髪を拭いていた
彼は怒っているのだろう
まぁ、当然だ.....
もう彼と
同じ時間を過ごしたくなかったのだ
それは
あの日を思い出してしまうから
私の罪を.....
まぁ、こんな可愛くない奴とは
もう会わないだろ
大倉「ついたで....」
彼は、店の前にちゃんと送り届けてくれた
「ありがとうございます....」
私は、再び頭を下げてゆっくりと降りた
そして雨の中
家に向かって歩きだした
すると、彼は私の後を追って来て
大倉「ほらぁ」
そう言うと強引に傘を私に渡したのだ
「けっこうです」
私は突き返そうとすると
大倉「捨ててくれてええから」
そのまま
急いで車に乗り込み車を走らせ去った
私は彼の傘を手に持ちながら
ため息をついた
この女者の高級な傘を捨てるなんて.....
彼は、どうしてここまでするのか
私には不思議でしかなかったのだ