第45章 悪くない
私の胸はときめきで痛くなっていた
二人きっりの空間に
私は緊張と甘い期待に酔っていた
そして何も言えずにいると
彼の方が不安になったようで
大倉「・・・・アカン?」
甘えたように聞いてきた
久しぶりの可愛い彼に
私の口元が緩み
笑ってしまった
「いいですよ・・・・」
私の微笑みに
彼の顔も笑顔に戻る
彼は嬉しそうに
私の顔を見つめながら
大倉「そしてら、さっきの続きな・・・」
彼は不思議な事を言い出した
私には何の事か分からなった
でも、目の前の彼は
得意顔でいたのだ
「続き?」
私は問いかけに
彼の顔がゆっくりと近づき
優しく唇を塞がれた
長く・・・
今までの喧嘩の時間を埋めるように
その時
私の脳裏に安田さんの
言葉が思い出された
【喧嘩も悪くないやろ?】
安田さんの言っていた
言葉の意味がわかり
キスされながら微笑んでいた
すると彼はその事に驚いたように
唇を離すと
大倉「どないしたん?」
優しく私に聞いてきた
私は彼を見つめ
「・・・喧嘩って
思っているほど悪くないですよね?」
私の言葉に彼も笑いながら
大倉「そうやな・・・・
思ってるほどな」
喧嘩してる時は辛いけど
それは無駄な事ではなく
相手を知るためであったり
自分の小ささを知るためであったり
相手の事をどんなに自分が
思っているか知れる
大事な機会である
私は初めて
自分から彼の胸に顔を埋めて
幸せを強く感じていた
彼はそんな私を
愛おしそうに抱きしめ続けて
くれたのでした
幸せをいつまでも感じるように