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モノグラム

第44章 彼





私は少しも目線を逸らさずに



「それが大倉さんのお仕事なら

仕事の時だけは何があっても

その完璧を貫けるようにしないと

ダメなんではないですか?」



私の言葉を聞いて

彼はため息をついた



大倉「相変わらず手厳しいなぁ・・・・」



私の頭の中には

大きくなると誓った彼の言葉があった



「これが私なんで・・・・」



私が冷静に答えると


彼は苦笑いしていた



「でも、プライベートは

情けなくても、カッコ悪くても

いいと思います・・・・」



その言葉に彼は私を強く見た



「そのままでいいじゃないですか?

大倉さんは私に言いましたよね・・・

この傷ごと愛してると」



私は

自分の左肩を触りながら言うと

彼は小さく頷いた



「私も、全てを愛しているんです

強引ですぐ怒る所も

勝手に何でも決めちゃう勝手な所も

困った時に逃げ出す子供っぽい所も

大倉さんの全てが好きで

彼女になったんです」



私は自分が信じられなかった

こんなに素直になれた事が



大倉「・・・ありがとう」



彼は嬉しそうに私の頬に手を伸ばし

顔を近づけてきた



そこに



安田「話し合いは終わった?」



安田さんがコーヒーを持って帰って来たのだ



大倉「ホンマにアホ・・・・」


彼は安田さんのタイミングの

悪さに怒りだした

その事が分からない安田さんは

驚いた顔をしてキョロキョロしていた


そんな様子を見て

私は笑ってしまっていた


安田「ちょ、何なん?」



困った顔の安田さんに私は

嬉しそうに言った



「大倉さんは、ありがとうって

言っているだけですよ」



その言葉で彼は驚いて私を見たが

私は彼に微笑み返した


すると安田さんは嬉しそうに


安田「ほら、この薬は良く効くやろ?」



そう得意げにいったので

彼も笑いながら言いだした



大倉「ほんまに効くわ・・・・」



彼の表情が明るくなっていた

それを見て私と安田さんの心はやっと

安心したのだ



そして、私は安田さんに強く感謝した

連れて来てくれるまで話したこと

私には、どれだけ力になったか



隣で彼と一緒に笑っている

安田さんに友情と愛を

教えてもらった夜だったのです



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